夫を自死で亡くしてから、10か月が経ちました。
なんてことだろう。
会いたいと強く願っても、会えるはずもなく。
月日だけが進んでいきます。
いや…進んでいるのは月日だけではありません。大切な人を失ってからも日々を送っている人達も、全員進んでいる事と思います。
進みたいかどうかは、別としてね。
今日、悲しい事実に気付きました。
それは「夫の声をうまく思い出せなくなったこと」です。
【10回目の月命日】声を思い出せない、思い出しても自信がない

結婚してから17年間。毎日聴いていた声。
結婚前は流石に毎日ではないものの、18年以上は耳に届いていた夫の声。
今、思い出してみると、ちょびっと自信がありません。
実際に聞こえたら「夫だ!」とわかる自信はあるのですが、脳内での再現力が低下し、鮮やかに思い出せなくなりました。

そんな…

うわーん!どうしよう!
冷たいのか?バカなのか?
会いたいよ~、帰ってきてよ~、夢くらい出てきてよ~、なんで死んじゃったんだよ~!
👆これ。いまだに毎日考えていますし、ほぼ毎日口に出しております(笑)
そのくせ、声が思い出せない…💦
私って冷たい女なのかもしれない。
少なくとも、バカなのかもしれない。
冷たいのか?バカなのか?
忘れたくない事。ずっと覚えていたい事。毎晩寝る前に思い出して過ごしていたのに…。
あれっ?
と、自信がなくなった。においの記憶も思い出せないし、鮮明に思い出せる表情の種類も減ってしまった気がします。
忘れないために出来る事
大事な人、忘れたくない人、忘れちゃだめな人。
これは、映画「君の名は。」に出てくるセリフの一部です。
もちろん名前は忘れません(‘◇’)ゞ💦
しかしながら。人間の脳は忘れるようにも出来ているため、絶対に忘れないことは不可能です。
それでもなるべく忘れたくない。記憶を減らしたくない。

笑顔も、寝顔も、怒っている顔も、風邪ひいてる時も、好物食べた顔も、やせ我慢してる顔も…

煙草を吸ったり、プラモデルしたり、ドジョウを探したり…
🍀良く思いかえす記憶は忘れにくく、思いかえすことの少ない記憶から薄れて消えてしまいます。
私の場合。笑っている優しい顔ばかり思い出していたため、怒っている顔や寝ている顔の記憶から薄れている感じです。
だめだ。
いやだ。
鼻毛ぬいてる夫の姿すら、忘れたくないもんね。
順番にいろんなパターンを思い出してみよう!

戻ってくれば、ずっと忘れないでチュよ!

戻ってきて欲しいなぁ…
夫がバクバク食べるお菓子

生クリームとクルミと、アーモンドパウダーを使用する焼き菓子。
以前もお供えしましたが…久しぶりにまたお供えです。
これ、私にとっては「珈琲を淹れて、ゆっくりひとつかふたつを食べるお菓子」です。
でも、夫にとっては「ポテチみたいにバックバク食べるお菓子」です。
初めて作った時、とても気に入ってくれてバックバクバックバク…(笑)
味わってほしい私の気持ちをよそに、たいして噛まずに飲む男、夫。

美味しいと、食べるのが速いタイプです
※味わってるように見える時は、苦手な味をばれないように食べているタイプ。
忘れてはいけない事
最後。夫は自分で自分の終わりを選んでしまいました。
その手前で、疲れていた時期や、悩んでいた事と、決定打となった事件が重なり…私が想像も出来ないくらい苦しかったことと思います。
こういうことになってしまったけれど、実際には生きていけるものなら生きていきたかったのだと思います。
いじめに悩んだり、パワハラで苦しんだり、親子関係で悩んでいたり。
自死に対する世論の一部に「生きたくても生きられない人が居るのに」という考え方があります。
しかし、自死を選んだ人達も、生きたくても生きられない人だったりします。
生きようと悩んだ形跡がある。別の場所なら生きていたかもしれない。生きていけるものなら生きていた。
うまく表現できませんが…心の心臓が止まってしまうことだって、あると思うのです。
本当は生きたかったであろう夫。私はずっと心の中に居てもらいたいです。
薄くなっても、消えかけても。
無理に焦って変な記憶に曲がらないように。薄くなっても正しい思い出で、ともに生きられますように。